A.地上茎がない(無茎種)
 B.花柱の上部は脹らんでカマキリの頭のようになる。
  C.たく葉は葉柄から離れて付く。
4.スミレサイシン類・ミヤマスミレ類

   D.葉は心形〜披針形(ひしん=細長くて先端がとがり基部が広い)で先が細くどがる。

・・・スミレサイシン類


スミレサイシン
yabuさんよりご寄贈のお写真)
日本海側の多雪地に生える代表的なスミレ。発達した地下茎が特徴。
あまり高くない山地の落葉樹の木陰を好む。
葉は先をつまんだようにとがった心形。色は薄緑色で無毛。
花期には、葉はあまり展開していない事が多い。
たく葉が葉柄から離れて付くのが特徴。
花は淡紫だが、シロバナ種もある。
太平洋側には、葉をさらに細くしたナガバノスミレサイシンが多い。

アケボノスミレ
花色は、鮮やかな紅紫色〜淡紅紫色。がっしりした花柄を地面から直接立てる。
太平洋側の内陸を中心に分布。主に東日本。渇き気味の雑木林に多い。
葉は花の時期にはほとんど展開していない事も多い。写真でも他に比べて葉が少ない。
葉がすっかり展開すると、先がとがり、基部が深い心形。草丈は5〜10cm。
C.たく葉は葉柄に沿着する。
   ・・・ミヤマスミレ類

スミレ(ヴィオラ・マンジュリカ)
全国に分布する。日当たりを好む。
花色は濃紫色だが個体数も多いため変異も激しい。
花径2cm前後。側弁の基部は有毛。
葉はヘラ形。葉柄に翼がある。
根が褐色であることも重要。



コモロスミレ
スミレの変異種の一つ。花が重弁なもの。
大正時代に長野県小諸市で見つかり、市の天然記念物である。



ヒメスミレ
スミレによく似た小型のスミレ。生息地はほぼ人家周辺に限られる。
アスファルトの隙間から顔を出している姿が似合う。
花径1〜1.5cm。側弁の基部は有毛。葉は三角状披針形



ノジスミレ

スミレに比べて花も葉もなんとなく広々としていて、スミレより花期が早い。
低地の人里周辺に限られる。花径1.5cm前後。側弁の基部は無毛。
葉はヘラ型〜長披針形。普通全体にビロード状の微毛がある。



アリアケスミレ
花の色が変化に富む事から有明の空になぞられた名前。ほとんど白のこともある。
温暖な地域の耕作地の周辺や河川敷などに生える。
花径2cm前後。葉の数が多く、ヘラ型で厚みと光沢のある葉を水平に広げる。
側弁だけでなく上弁も有毛。新しい根が白いこともスミレとの鑑別になる。



コスミレ
低地の人里周辺に生える。やや標高の高い人里でも見ることができる。
花色や携帯に変化が多く観察者を困らせる。
花径1.5〜2.0cm。淡紫が多いが紫紅や白も見られる。
草丈5〜10cmほど。花期はやや早め。距は無毛。
葉はやや丸みのある長三角形〜長卵型。裏は紫のものが多い。

アカネスミレ
丘陵地に多い茜色の愛らしいスミレ。日当たりのよい道端や畑の土手などにも見られる。
全体に毛が多く、特に距や子房に毛があるのが特徴。
花径10cm前後。鮮やかな紅紫色のものが多い。
花弁の基部が閉じ気味に開くので花の内部が見にくいのも特徴。
草丈5〜10cmほど。葉は明るい緑色で形はさじ状、長卵形などさまざま。
葉全体に微毛が生えている。



ウスバアカネスミレ
花弁が淡い肉色をしたものをいい、生育は希。


クロアカネスミレ
(解説が参考文献に見当たらず。)



ゲンジスミレ

葉の裏が紫色なので、紫式部からこの優雅な名前が付いたと言う。
青森県〜岩手県、中部地方から関東地方の内陸部、
岡山県、愛媛県と4ヶ所に隔離分布している。
花弁の表側にはごく淡い紅紫色の筋が入る。
花径1.5cm〜2cm、葉は卵系〜円形。



アツバスミレ
スミレの海岸型。葉は厚くて光沢がある。砂浜に生えたものは卵型。
ヤブに生えたものの葉は、ヘラ型。写真はヤブのタイプか・・。
伊豆七島では、形態や花の色に変化が多い。



二色アツバスミレ
上弁が白、下弁に紫色のスジが目立つ。



マルバスミレ
丸みのある葉と純白の花でふくよかな感じが印象的なスミレ。
太平洋側の内陸部に多い。崩れやすい斜面などに多い。
葉は名前のとおり丸みのある卵型だが基部では心形になるものや
長卵形になるものもあり、葉や茎に粗い毛が多い。