バラの接ぎ木に挑戦!
切り花種の絞り模様の薔薇を手元に残したい時
一般のナーサリーでは株が手に入りません。

それで、自分で接ぎ木や挿し木に挑戦することになりました。

挿し木の様子は、『バラの挿し木』にまとめてあります。
昨年から初めて、挿し木の方はずいぶん成功率が上がってきました。

一方で接ぎ木は、2007年12月半ばが初挑戦でした。

最初の頃は、台木のカットの際に自分の指を切ったりと
だいぶ苦戦しましたが、やっとなんとか成功してきましたので
まとめてご紹介いたします。

バラの接ぎ木は、12月末から翌年2月までが適期とされます。

参考にしたのは
『別冊NHK趣味の園芸 バラ大百科』
P336[切りつぎ]のページです。


なお、PBR(生育者権利)のある品種では、個人で楽しむ以外の
目的で増やすことはできませんのでご注意ください。



【準備するもの】

1.ノイバラの台木
 私は、Yahooオークションで購入。
 10本単位で2000円くらいから。

2.カッター
  値段の高い小刀より
  300円くらいの替え刃式
  カッターの方がよく切れる。

3.ロウソクを湯煎で溶かしたもの

4.接ぎ木テープ

5.剪定ばさみ

6.鹿沼土細粒または赤玉小粒
 あるいは種まき・挿し木用土
台木のカットは、根を体と反対側に
向けて、鉛筆を削るように押し切る
と自分の指を切らずに安全。

出来るだけカットする面を平らにスムーズにする。

←お写真は、まだ上の部分を残した
まま、仮に差し込んだところです。

カット後に、台木の上の部分
(台木の茎が残っている部分)を
剪定ばさみで切り取ります。

それから、接ぎ穂を差し入れて
台木と接ぎ穂の形成層を合わせる
ように注意してテープで巻きます。
形成層を合わせるコツは、上記の
本をぜひお読みください。
台木の方が太い場合は、どちらかの端
に接ぎ穂の形成層を合わせます。
接ぎ穂の乾燥防止のために
60度くらいの溶けたロウの中をサッと
くぐらせる。
あるいは接いだテープの部分だけ
ロウをスプーンで垂らしてもいい。
濡らした鹿沼土細粒で台木ごと
3.5号ビニールポットまたは
5号の硬質プラポットに植えつける。
トレイにいれ、ビニール袋で覆い
室温10〜20度くらいの半日陰の
場所で管理する。
一番成績が良かったのは、
加温した温室の棚の下。
プラスチックの衣装ケースの底に
濡れた新聞紙を敷いて、
その上にポットを置き、衣装ケース
全体を大きなビニール袋で包んで
管理したもの。
台木は加湿にせず、
接ぎ穂は乾燥させない。
3週間くらいすると接ぎ穂から
新芽が伸びてくる。(*^.^*)

竹の子のような太い新芽なら合格。
←お写真は
2月14日に接いだフィエスタ、3月9日撮影。

失敗した場合は、接ぎ穂が黒く変色
してくるので判ります。(T▽T)
袋に徐々に穴を開けて、外気に慣らします。
新芽が伸びてきたと喜んで
いきなり取り出したことが、
最初の時の失敗の原因だったようでした。(-"-;)
フィエスタ
上のお写真のフェイスタがさらに
たくましく伸びた様子。

途中でいったん葉先が黒く縮れ、
心配しましたが、その後もう一本
わき芽が伸びてスクスクと成長中。
(^。^;)ホッ

袋から出すタイミングや光の調整が
難しい。

3月29日撮影。

フィエスタが開花した様子をこちら
ページで公開しておりますのでどうぞ。
これは、12月に接いだものの
失敗した台木の反対側に
再度切り込みを入れて、接いだ結果、
二度目に成功した
ピンクインテューションの株です。

2008年1月13日に接ぎ木し、
2008年2月24日撮影した株です。
少しずつ袋の穴を広げて、新芽が
十分伸びた時点でいったん袋から
出しました。
この後、温室内の日が当たる場所に移しました。
同じく、ラナンキュラも成功。
こちらは挿し木苗で既に開花している
株より接ぎ穂を採りました。



接ぎ穂は、新鮮な方が成功率は
高いです。

すぐに接げない場合は、挿し木にして
おいて、発根が確認できた頃に接ぎ穂
とするのが良いように思います。

このまま順調に成長してくれることを
願っています。
上手く育ってくれました。

肥料のない土に植えてあるので、やや
ヒョロヒョロした感じは否めませんが、
病気もなくいっかりした株に育ってくれ
ました。

接木した1月13日から約10週間目。

向って左がピンクインテューション
右がラナンキュラです。

(2008年3月21日撮影)

4月に入ったら、普通の土にポットから
そっと植え替えて定植予定です。
どちらももう小さな蕾が付いています。
これはピンクインテューションの蕾。
(2008年3月21日撮影)

開花した様子をこちらのページで
公開していますのでご覧下さい。

1月17日に接木した
DAローズ・ロザリンデが今頃になって
芽が伸びています。

実は、温室の棚の下の奥にあった
ので、こんなに伸びているのに全く
気付いてやらなかった・・・。(^o^)ゞ

切花用イングリッシュローズである
ロザリンデは、オランダからの
輸入切花でしたので、ぜひ手元に
置きたくて、接木してみました。




(2008年3月29日撮影)
向って左は3月29日撮影のカラホ
こうした小さな芽は枯れてしまうことも多い
ので心配していたんですが、その後
スクスクと成長し、右のようになりました。
(2008年4月28日撮影)

2月23日に接いだもう一本のカラホには
たくましい芽が出てススクと成長しました。

向って左き2008年4月9日撮影
向って右は2008年4月28日撮影

向って左は、ラ・カンパニュラ。
右が上のロザリンデ。
いずれももう蕾が付いてます。
(2008年4月28日撮影)

初年度の成功率はやっと5分の1。
初回より二度目、二度目より三度目の
方が成功率が上がりました。
特にカラホは5株中3株成功しています。
失敗した台木さん、ごめんなさい。
<(_ _*)>
来年はもっと腕を磨きましょう。
コツは形成層をしっかり合わせることと
その後の管理にあると感じました。
2009年、今年はバラ農園の方より直接
台木を50本分けて頂きました。
1本150円と格安ですが、どれも接ぎや
すい良い台木でした。
気に入った切花が手に入ると、順次接い
でます。
2年目の今年は、指を切るようなこともな
く、スムーズに作業できました。
←接ぎ木後に台木を植えつけた様子。
この後、ビニール袋を被せて輪ゴムで止
てから、温室の棚の下に置きました。
種類は万華鏡とアブダカダブラ。

←万華鏡
(当時はまだ名前未定でした)
(2009年2月1日)  
1月18日に接ぎ木したフラウリーノの
新芽が伸びてきています。

支柱の向きを変えるために、やむなく
ビニール袋を外しましたが、いきなり
外気に触れると穂木が枯れ込むことが
ありますので、ご注意ください。

(2009年2月11日撮影)

なお、台木の芽は全て切り取る位置に
接いでいます。

台木の芽を残すとそちらが伸びてきて
穂木に栄養が回りません。

台木の芽は、赤くて細いので、
もし伸びてきたら全て切り取った方が
いいでしょう。


接いだ部分に水が入らないように
上からの水遣りはしません。

受け皿に水を入れて下から吸わせるか
濡れた新聞紙の上に置いておきます。
さらにグングン伸びてきて、葉が展開
してきています。

徐々に袋の穴を大きくしていき
外気(温室内)に慣らしていきます。

(2009年3月1日撮影)
上のフラウリーノの新芽がスクスクと
伸びてビニール袋の徐々に広げてい
た穴を突き破るくらいになりました。

こうなってから、完全に袋を外すと
失敗しません。

(2009年3月19日撮影)

開花した様子をこちらのページで
公開していますのでご覧下さい。


3月になってから接いだ株もやっと
伸びてきました。

1.クリームエキサイティング、
2.ザ・フライヤー
(親株が弱いイングリッシュローズで、
予備苗を作りたかった)
3.ミランダ(DAローズ)
この後、植え替えて普通の土で管理
しています。

(2009年4月30日撮影)

開花したお写真はそれぞれのページで
ご紹介してます。
(文字をクリックするとジャンプします)

クリームエキサイティング

ザ・フライヤー

ミランダ
  2010年は1月2日に最初の10本に
挑戦しましたが、10本とも成功してます。
ヤッター!\(^O^)/


コツはやっぱり台木と穂木の形成層を
しっかり合わせること。

その時、隙間がないかを
電気を透かして見るといいですね。 

後は置き場所かな・・。
温室の下はベストポジションでしょう。

←これは早くも芽が展開してきた
新・名前未定バラです。
(2010年2月21日撮影)


(上の名前未定バラとはまた別種)
   7本は順調に伸びました。

名前未定バラ2本、
DAローズ・ペイシエンス2本
マーブルパフェ2本。
アブダカダブラ1本。

穂木が細すぎたホーカスポーカスの
3本は途中で脱落・・・。(;_;)

名前未定バラ以外は親株がありますが
予備株として更新しています。

(2010年3月27日)
 2011年は、まず2010年12月23日にDAロ
ーズのダルシーを10本とエミリー(シンベラ
イン)を4本接でみました。
3月6日の時点で1本も穂木が枯れていな
いのですが、全く芽が出ないものから、本
葉が展開しているものまでバラバラです。

←こちらは、本葉が展開している株。
(2011年 3月6日 撮影)
 ここまで成長していれば、もう袋は外して
しまっても大丈夫です。
 
(2011年 3月6日 撮影)
 こちらの株は、やっと新芽が展開して
きたところ。ここで直ぐに袋を外してしまう
と、枯れこむことがありますので慌てない
ことが大切です。

(2011年 3月6日 撮影)
   全く同じ日に接ぎ木したのに、成長には
これだけの差があります。

DAローズエミリーは穂木はしっかりしている
ものの、肝心な芽が伸びてきません。

接ぎ木や挿し木は、芽がない限り根が伸び
ても、成長はしません。

(2011年 3月6日 撮影)
   切り花の場合、最初から芽がかき取られて
いることもままあります。

今回はエミリー10本のうち、いずれも良い芽
はなかったように見受けられました。

あっても、とても小さな芽だけでした。

この株はかろうじて芽が覗いていますので
もう少し様子を見ることにしました。

(2011年 3月6日 撮影)
   さらに2週間経った3月19日の様子。

最初に袋を外した株はさらにスクスクと伸び
新芽が展開してきたばかりだった株も
成長したので、袋を外しました。

もう一株は、別のダルシーの株ですが
3株目も成長してきました。

上のお写真のエミリーの株には目立った
変化はありません。

(2011年 3月19日 撮影)
 ダルシー、早くも蕾が膨らんできました。
(2011年 3月31日 撮影)

開花した様子はこちらから。
 エミリーもやっと新芽が伸びてきました。
もう一株のエミリーも芽が伸びてきました。
諦めなくて良かったですが、接いでから3ヵ
月も掛かるとは・・・。┐( -"-)┌ヤレヤレ

穂木が茶色にならない限り、少しでも芽が
あれば諦めないことが大事ですね。

(2011年 3月31日 撮影)

開花した様子はこちらから。
 2012年の接ぎ木結果のご報告
昨年(2011年)12月23日に、
12本接ぎ木しました。
実は昨年使用しないまま残ってしまった20
本の台木をそのまま知り合いの休耕田に
1年間仮植えしてもらっておいたのを、また
掘り上げて使用しました。育ちすぎていて使
用できない台木があり、結局12本を使用し
ました。うち穂木が途中で枯れてしまったの
は1本だけで、11本成功したようです。

(2012年 3月16日 撮影)
 暮れにケニア産の輸入切り花として取り寄せ
『DAローズ・ケイト』が3本成功してます。
(2012年 3月16日 撮影)
   同じく新種の『DAローズ・キーラ』は6本成功
花があまりに綺麗だったので、絶対残そうと
たくさん接いだ結果です。成長にはバラつきが
あるものの、ここまで来るとほとんどこのまま
成長するものです。
(2012年 3月16日 撮影)

開花した様子はこちらから。
 お気に入りの切り花種の「イブNo.6」も予備
苗として2本接いてみました。成長に差があり
1本はもう蕾が付いてますが、もう1本はやっ
と葉が展開してきたところ。

(2012年 3月16日 撮影)
 上の写真のうちの成長した『イブNO.6』は
蕾までついていたので、急いでそっと5号スリ
ット鉢に植え替えました。

(2012年 3月16日 撮影)

接ぎ木の方が挿し木よりも成功率が高いです
し、その後の成長も早いので楽ですね。

ただ接ぎ木できる時期が冬季に限られて
しまう
のが欠点でしょうか。
   温室管理していたので、1か月後には
既に一番花が開花してしまいました。
w('o')w オオー!!
(2012年4月13日撮影)

同時に接いだ『キーラ』『ケイト』も
もう蕾が上がってきています。
 絞りはちょっぴり赤いラインが入る程度ですが
香りからも『イブNO.6』に間近いありません。

新苗の一番花は咲かせない方がいいと
よく言われますが、花色の確認のためには
必要ですね。
(稀にですが、名札の間違いがあるので(^^;;;)
(2012年4月13日撮影)